Ⅱ.RIALシステムを通じた意識改革
RIALシステムを実施するうえで大切なことは、物の見方・考え方・判断の仕方・発想の原点等を変えなければならないということである。
実際のRIALシステムの運用では、参加した個人個人の意識改革が要求される。
その手順を簡単に説明する。
(1)正確な現状把握
現状の生産システムを正確に観察し、調査・分析、時間観測、図上構成を行う。
さらに、作業の一つ一つの存在理由や設計者の意図を充分把握するとともに、その裏付けをとり正しい判断ができる基礎を作り上げる。
(2)無化思考
発想の原点を、それまで必要とされていた部材や作業に対し、
・無くすことはできないか
・無くしたらどうなるか
・無くすためにはどうしたらよいか
という問いかけを行い、無くすために全力を傾注する。
そのためには、徹底した現状否定を行い、自由なアイディアをだしていく。
その中から有望なアイディアを選び、何度も何度も実験・試作を繰り返し、確実に使えるようにしていく。
(3)衆知の結集
グループメンバーで発掘したアイディアは、それを使えるアイディアに成長させるまで、衆知を結集させる 。
(4)目標達成
何度も何度もアイディアミーティングを重ねたのち、トップの決裁を得て実行段階に入る。
ここまでくると、参加メンバーにも自信が見て取れる。
個人個人の意識改革ができた結果が、大きな成果に結びつく。
そして何よりも大切なことは、RIALシステムの考え方を自分のものにした“遺伝子”が、各職場へ復帰し、他のメンバーにこの考え方を広めていくことである。