1.原価分析の重要性
売上を伸ばし、適正な利益を確保し続ける為には、魅力ある製品を創造し、かつその製品の原価力に競争力がそなわっていなければならない。
そのためには、製品の原価分析を行い、これを改善していかなければならない。
原価の内容を構成要素別に把握し、さらにこれらを最小単位まで分解していく。
そうすることにより、問題点がみえ、解決するための課題が明確になってくる。
2.原価分析の方法
(1)製品別分析
生産する全ての製品について「付加価値分析」を行い、製品間で横の比較検討をし、個々の製品の取り組み課題を明確にする。
(2)材料費の分析
材料費は、使用料、単価はのみならず、スクラップも明確にし、材料能率を高めていく。さらに近年は、環境保護の立場からリサイクル率や有価金額の把握も必要である。
(3)人件費の分析
人件費は、時間×人件費レートで求められます。
時間については、まづ作業をしない時間(非作業時間)を把握し、これを削減していきます。
また、作業をしている時間においても作業の内容を詳細に分析し、付加価値を生んでいない時間(=動作)は削減していきます。
付加価値を生んでいる時間(=動作)も、それを見過ごすことなく、さらに進化した方法にあらため、これを削減していきます。
(4)設備費の分析
設備費は、導入検討時に稼動時間×設備レートで設定されます。
稼動時間は、導入時にリスクを織り込んだ時間設定が出来ていますが、実際の生産は日々変化し、その稼動状況は一定ではありません。
生産に必要な所要時間と、実際に稼動した時間、さらに当初設定した稼動時間との差の分析が必要です。
また設備レートは、毎年の償却や保険料の変動等で、異なったものになります。
これも正確にレートを設定し直し、当初設定したレートとの差を分析することが必要です。
(5)外注費の分析
自社内での原価分析と同様に、材料費、人件費、管理費等の分析を行います。
但しこの場合は、外注先の生産技術力や管理力等を考慮し、分析することが重要です。