私の出身は、長崎県の離島である。

海辺に面した小さな集落で、小学校の低学年までをここで過ごした。

 今日から“お盆”。

私の集落では、いまでもお盆の最終日には“精霊流し”をおこなう。

夕方、涼しくなってから家族全員でご先祖のお墓にもうで、線香やお水を手向けて合掌する。

そのあと浜辺にいき、精霊を流すのである。

小さな帆かけ舟に、故人の好物やお供え物をいっぱい載せて流す。

その家の家長や長男が代表して、静かに小舟を海に浮かべる。

小舟は風に後押しされて、ゆっくり沖を目指して進んでいく。

この小舟に合掌し、涙して見送る人も多い。

 今年、私は帰省できなかった。

この行事に参加できないばかりか、毎年この時期に再会を約束している友人達にも会えなかった。

家族に対しても、友人たちに対しても申し訳なく思う。

来年はきっと・・・。

 最近は、地球環境保護の観点から、流した小船ともどもその回収を地元の漁師さんにお願いしている。