~『これからの経営者像』~
先月、社団法人 大阪府工業協会様の主催で、長時間のセミナーを担当させていただいた。
タイトルは、『製造工程でのムダを退治』、サブタイトルが~「コスト意識」は利益の源泉~である。
午前中のプログラムは、質問形式による参加者の「コスト意識チェック」から、経営者・従業員が各々の立場上でのコスト意識の発揮の仕方。
さらに、ムダを発見するポイントと、その改善方法等の内容。
午後からのプログラムは、実際の作業現場のVTRを観ていただき、ムダを見つけ退治していただくという内容だった。
当日は、サイクルタイムが異なる3種類の作業に関し6本のVTRを準備し、参加者にムダを発見し改善案を発表していただいた。
サイクルタイムが異なると、当然ムダ発見のポイントも違ってくる。
(これを実際に実感していただきたかった。)
この点に配慮し、サイクルタイムが10秒前後、20秒前後、90秒前後のVTRを準備した。
このときのVTRの中に、昨年コンサルした、中国上海市にある2社の日系企業のものが含まれていた。
私は、セミナーでの使用許可をいただきに、この2社を訪問した。
そのうちの1社(以後、T社とする)では、製造本部長(以後、Aさんとする)に応対をしていただいた。
Aさんにセミナーの狙いと、その為の手段として是非T社上海工場のVTRを使用をお願いした。
Aさんと一緒にVTRの内容を確認した後、Aさんは、是非部下をセミナーに参加させたい。
近畿圏に工場が3ヶ所あるので、各工場から1名づつ参加させる・・と、その場で即決していただいた。
私は、しばし感動した。
それは、3名もセミナーに参加させてくれるからではない。
Aさんの若い人材を育てたいという思い、今のうちに次代を背負う人材に投資をするという考え方・行動に、今の経営者が忘れがちな「一に人財・二に人財」という思想に触れたからである。
一昨日、そのT社から一通のハガキが届いた。
その分厚いハガキは、株主総会後の新経営陣の紹介であった。
私はその中にAさん(新任取締役)の名前を見つけた。
よくわからないが、ジーンとくるものがあった。
若い社員を育てる人が、経営陣の中に入っていく。
きっと、T社社長もそこは重要視している気がした。
これからも、『従業員を大切にする』こんな会社を私は応援していく。