私が仕事をするビルには、数名のクリーンキーパーの方々も仕事をされている。
(大部分の方が女性である)。
彼女たちは、通常の勤務開始時間より1時間30分前にはユニフォームに着替え、各人の持ち場へと移動し、仕事を始める。
やがて、各社の社員が出勤してくる頃には、共用スペース等の掃除や片付けを終え、皆が仕事をしやすい環境を整えてくれる。
A子さん(:仮名)も、彼女たちの中の一人である。
私は、この方の大ファンである。
小柄なA子さんは、私の母親と近い年齢と思われる。
A子さんは、他のメンバーよりもさらに早く出勤されている。
その手には、毎日のように可憐な草花が紙に包まれ握られている。
A子さんは、彼女たちの仕事が始まるまでの時間、花瓶の水を替え、今朝摘んできたばかりの草花を活け、小さな鉢植えの木々に水をやる。
毎朝早起きして、自分の庭で丹精込めて育てた草花をつみ、電車に乗り、私たちのビルまで届けてくれる。
全く知らない他人(我々)のために。
彼女の、他人を思いやるやさしい気持ちが込められた草花は、やがて出勤してくる人たちをそっと迎えてくれる。
このことを、このビルに出社してくる何人の人が知っているだろう。
朝早く出勤する私は、時々草花を活けているA子さんに出会う。
こんな時私は、“いつも可愛い草花をありがとうございます”と挨拶すると、彼女は決まって、“自分の庭のしょうもない花だから”と笑顔でこたえる。
・・・あなたの“他人を思いやるやさしい気持ちが伝わった草花達”はまぶしいですよ・・・
私は、あなたとあなたが活けてくれる草花達の大ファンです。
ありがとうございます。
先週末は、少し色づきはじめた柿の実が3個ついた小枝が飾られていた。
これもA子さん あなたですよね。 ありがとうございます。