2016年10月31日、N株式会社滋賀事業所の支援活動を終えた。
同社の支援は、公益財団法人滋賀県産業支援プラザからの依頼によるものであった。
期間は、2016年4月から2016年10月、10回(4時間コース)。
依頼内容は、『在庫管理の合理化・近代化に関する助言・指導』。
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同社は、滋賀県東近江市を中心に事業活動を展開されている。
業種は金属製品の製造・販売で、従業員数は約100名、内滋賀事業所は約50名。
同社の直近の売上高は6,120百万円、1人当たりの売上高は60百万円を優に超える。
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支援活動に着手する前に、事前に同社T取締役と滋賀県産業支援プラザの担当者をふくめ、打ち合わせを行った。
T取締役によると、滋賀事業所では近年特に製品の種類が増え小ロット化したため、その発注形態や管理が複雑になり、十分な管理が出来ていないとのこと。
現在の担当者任せの業務では、在庫金額が膨らむ一方で、停滞による死蔵品が絶えず発生して、経営効率に悪影響を与えているというお話であった。
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実をいうと、T取締役から滋賀県産業支援プラザを通した同様の依頼は1年前にもあったが、同社社内方針の変更で直前に取りやめになった経緯がある。
社長方針により、外部の人間に頼らず自分たちで、発注方法の合理化や在庫金額の削減に挑戦するというのがその理由であった。
初回の顔合わせの時、T取締役から今の困りごとを伺ったあと、私はいくつかの質問をし、一般論として次のようなアドバイスを行っていた。
≪アドバイス1≫
○担当者任せの納期設定になっている
・・発注量が少量であるため、相手側に気を遣いまた力関係を考慮して、相手側からの調達リードタイム(L/T)をそのまま受け入れている。
また、一回の納入ロット数も、相手側に合わせている。
さらに、今後もこれからも相手側との友好関係を維持したいと考え、調達(L/T)短縮の要請が出来ていない。
≪アドバイス2≫
○担当者任せの発注時期になっている
・・発注者は納期遅れを心配し、生産現場に投入するタイミングよりも早めに発注している。
さらに、相手側が指定納期に遅れても、投入するタイミングまでには時間的に余裕があるため、督促できていない。
以上のようなことから、先ず、発注担当者へのヒアリングを実施し業務内容の棚卸を行い、これに改善を加えていくことを提案していた。
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それから約1年後、先に述べたように再度、支援依頼がT取締役よりとどいた。