8月末に、K株式会社鳥取事業所のモノづくりに関する指導を終えた。
『第二次生産革新』という名のもとに進めてきたこのプロジェクト活動は、4月から8月までの5ヶ月間。
 
最終指導報告の前日に、プロジェクト活動に参加した各チームの管理者の方々を対象に「経営幹部のための『生産管理』研修」を実施させていただいた。(研修時間は、約3時間30分)
この研修には同社代表取締役K会長、代表取締役K社長、ほか取締役や事業所長も参加され、総勢12名。
今回のプロジェクト活動に対する同社の意気込みが十分に伝わってきた。
この『生産管理研修』の狙いは、5ヶ月間の『第二次生産革新』活動での直接指導や、16回の週報のやり取りで一般の従業員の意識改革が進んでいたので、新しい考え方を伝えるため経営幹部の意識改革も必要と考え実施した。
 
U工場、Y工場において、モノづくり現場の現状把握から現状分析の過程で、あることに気が付いた。
それは、U・Y両工場で採用されている生産方式について、ともにあるべき姿と現実の姿が相違しているということであった。
生産しているモデルによってU工場では“受注生産体制”を採用し、Y工場では“見込み生産体制”を採用していた。
 
採用している生産体制には問題はないのだが、それぞれの生産体制において最も重要な管理ポイントは何かを管理職が理解しておらず、日々の生産活動が進められていることが問題であった。
管理者は、まずこのポイントを理解しておかなければならない。
この理解なしに、部下に“生産性向上への取り組み”や“部品在庫・仕掛品在庫の削減”を命じても、部下の頑張りに対し得られる成果はそれほど期待できない場合が多い。
この事実を経営幹部の方々に十分理解して理解して頂きたかった。
 
そこで研修では、「4つの生産方式」についてシュミレーションしていただいた。
12名を2グループに分け、シュミレーション結果について、おおいに議論していただいた。
1チーム6名の役割は以下の通り。
①材料倉庫からの部品だし
②製造工程中の部品加工工程
③製造工程中の樹脂成型工程
④製造工程中の検査工程・・・ここがボトルネック工程とする
⑤製造工程中の組立工程
⑥製造工程中の梱包出荷工程

次にシュミレーションした生産方式は
(A)5製造工程が個々に生産能力をフルに使って生産する
(B)4工程がボトルネック工程を無視して個々に生産する
(C)ボトルネック工程が生産したぶんだけ他の工程も生産する
(D)梱包出荷工程が生産した分だけたの他の工程も生産する
上記4パターンの生産方式を実施した結果を以下の3項目で順位づけする。
(1)生産数が最も多い生産方式は?
(2)仕掛在庫数が最も少ない生産方式は?
(3)生産リードタイムが最も短い生産方式は?

 
“受注生産”体制において最も重要な管理ポイントは、客先への生産・納入リードタイムの短縮である。
これを満足する生産方式は、上記(A)から(D)のうちどれか?
“見込み生産”体制において最も重要な管理ポイントは、仕掛品在庫ひいては材料在庫の削減である。
これを満足する生産方式は、上記(A)から(D)のうちどれか?
シュミレーションにおいて経営幹部の方々には、まずこの点に関して理解して欲しかった。
既に部下の方々は、この視点から現場改善を進めており、現在の生産方式は『第二次生産革新』が始まる前とは異なっていることを理解してほしいといいうこと。
“あるべき姿”からかい離した“現実の姿”に気付いたら、直ちに修正が必要なことを伝えたかった。
最後に、明日の各チームによる最終成果報告では、成果の大きさ以上に部下の成長をみてあげてくださいと結んだ。
これは、同社代表取締役K会長が常に小生にお願いされていたことであった。
                                以上