Ⅰ.DIPSとは?
知的労働に従事する人の生産性を向上させるシステム。
主に管理職に就く人々の業務を飛躍的に向上させるために、さまざまな試みが行われた。
そして、出来る人の仕事の仕方を法則化し、出来上がったものが「DISP」である。
Ⅱ.DIPSの法則
①5つのP
仕事の受け方を工夫すると、知的作業の生産性が向上する。
・了解の“P”:仕事の依頼人やユーザーの了解が全てに優先する
・節約の“P”:時間を節約する
・時刻の“P”:すでに決定している時刻・納期を守る
・埋め込みの“P”:空き時間に行う仕事をあらかじめ考えておく
・価値の“P”:迷うときは成果の確かなほうを優先する
②防衛の30(サンマル)行動
雑用から自分の仕事を優先するために、毎日30分の雑用処理時間を設ける。
「B・B・C」
B:Boss(上司)
B:Buka(部下)
C:Customer(顧客)
「N・H・K」
N:Neighbor(同僚)
H:Honbu(本社・本部)
K:Kousai(交際範囲・同僚・部下・他)
「S・P・A」
S:Semeru(攻める)
P:Prepare(準備する)
A:Avoid(回避する)
という方法で処理する。
③マックスⅡの原則
・人間が集中力を持続する限界は概ね2時間である。
従って、2時間以内に仕事に対する達成感と解放感が得られるようにする。
・会議や打ち合わせ、ミーティングも2時間以内で終了する。
・「防衛の30行動」と「マックスⅡの原則」を組み合わせ、スケジュールを組み立てる。
・業務のブレークダウンを、2時間以下の単位でこなせるように分解する。
④創造の30行動
毎日30分、自分の能力不足を補うための時間を準備する。
・「KISSのWA(キッスの輪)」
K:Knowledge(知識の不足)
I:Information(情報の不足)
S:Spare Time(余分な時間の不足)
S:Spare Money(余分な資金の不足)
W:Workforce(協力してくれる人の不足)
A:Authorization(社内や上司の理解の不足)
これらの不足を補う方法を考えていきます。
▼ DIPS
▼ RIALシステムの究極の目的
Ⅲ.RIALシステムの究極の目的
モノ造りを改善・進化させていく技術者にとって、究極の目的は、24時間無人・無監視の生産システムと、それが可能な製品の開発である。
さらに物流・運搬業務や検査業務等、付加価値を生まない業務を削減するソフト開発やその実現にある。
100名の生産ラインを無人化する場合と10名の生産ラインを無人化する場合とでは、投資金額や設備、使用する建屋の面積にも大きな違いがあり、その難易度についても同様である。
つまり100名の作業者を必要とする生産システムや製品に対し、「無化思考」を原点に、何度も何度も「衆知を集めて」改善案を抽出する。
そして、最終的には10名程度の作業者で可能な生産システムや製品を実現する。
RIALシステムは、これを究極の目標としてその実現に取り組むツールである。
このような大きな目標を一挙に達成することは非常に困難である。
従って、まず設備や機械あるいは装置だけで生産可能な部分と、どうしても人間が携わらなければならない部分とに集約されるような製品を生み出すことが、第一の条件である。
このような構成を持った製品が完成したとき、大きな経営成果が生み出される。
単に部材を排除するだけでなく、常にこのような視点で改善アイディアの抽出が必要である。
▼ RIALシステムを通じた意識改革
Ⅱ.RIALシステムを通じた意識改革
RIALシステムを実施するうえで大切なことは、物の見方・考え方・判断の仕方・発想の原点等を変えなければならないということである。
実際のRIALシステムの運用では、参加した個人個人の意識改革が要求される。
その手順を簡単に説明する。
(1)正確な現状把握
現状の生産システムを正確に観察し、調査・分析、時間観測、図上構成を行う。
さらに、作業の一つ一つの存在理由や設計者の意図を充分把握するとともに、その裏付けをとり正しい判断ができる基礎を作り上げる。
(2)無化思考
発想の原点を、それまで必要とされていた部材や作業に対し、
・無くすことはできないか
・無くしたらどうなるか
・無くすためにはどうしたらよいか
という問いかけを行い、無くすために全力を傾注する。
そのためには、徹底した現状否定を行い、自由なアイディアをだしていく。
その中から有望なアイディアを選び、何度も何度も実験・試作を繰り返し、確実に使えるようにしていく。
(3)衆知の結集
グループメンバーで発掘したアイディアは、それを使えるアイディアに成長させるまで、衆知を結集させる 。
(4)目標達成
何度も何度もアイディアミーティングを重ねたのち、トップの決裁を得て実行段階に入る。
ここまでくると、参加メンバーにも自信が見て取れる。
個人個人の意識改革ができた結果が、大きな成果に結びつく。
そして何よりも大切なことは、RIALシステムの考え方を自分のものにした“遺伝子”が、各職場へ復帰し、他のメンバーにこの考え方を広めていくことである。
▼ RIALシステムとは
Ⅰ.RIALシステムとは
「Redesign and Improvement through Analysis of Line System」の略。
現状の生産システム及び図面上からの分析を通じて、製品設計・組立工法・工程設計にまつわるロスを排除し、全く新しい生産システムを設計する手法。
(1)製品の見直し
①付加価値を生まない設計部品・・・・排除する
②付加価値を生まない作業を誘発している設計要因・・・・排除する
③工程品質を確保し難い設計要因・・・・排除する
(2)生産システムの見直し
①付加価値を生まない作業・・・・排除する
②付加価値を生まない作業を誘発している物流、荷姿・・・・排除する
③シンプル化を阻害している設備要因・・・・排除する
▼ M・T・M法
Method Time Measurement。
P・T・S法の中で最も普及率の高いのがM・T・M-1。
▼ R・W・F法
Ready Work Factorの頭文字をとったもの。
既成分析法。1/1000分を1RUとして分析。
日本の大手製造業で、特にラインで生産している会社の多くはこの手法を採用しているといわれている。
専門書等を読むと、手法の習得には多くの時間がかかり、分析時においても他の手法と比べると時間を要す。・・・とある。
確かに手法の習得には、多くの時間を費やす。
同手法を用いた自分の分析が、間違いないと確信できるようになるまでには、さらに時間を要す。
しかし、自社工程作業者を分析し続けていると、その時間も格段に速くなる。
「数値表」の各作業要素の時間値も暗記できているし、作業順序が同じであれば、なおさら速くできる。
そして、分析結果の蓄積が財産となっていく。
マスターしてしまうと、簡単にできるようになる。
さらに、ロス削減の着眼点がそれまでと変わってくるのに気づく。
決して専門書などに惑わされないことをお勧めする。
▼ W・F法
W・F法 Work Factorの頭文字をとったもの。
R・W・F法、D・W・F法が代表的。
各手法の特徴を把握し、実際の作業内容に応じた手法を採用すべきである。
▼ P・T・S法の長所、短所
①時間観測による標準時間設定はレイティングを必要とするが、P・T・S法は必要ない。
②作業速度は、各種のP・T・S法で異なるものの、W・F法やM・T・M法では統一されており、標準時間設定上一貫性が保たれる。
③動作により、即時間値と結びついた改善が出来るため、作業改善手法としてすぐれている。
④標準時間設定が容易で、生産開始以前に、作業方法が設計可能である。
P・T・S法の短所
①基礎訓練だけでも1ヶ月以上を要し、完全に習熟するには少なくとも1年はかかる。
▼ P・T・S法
P・T・S法
Pre-determined Time Standardの頭文字。
既定標準時間設定法。
時間研究やレイティング(作業評価)には、観測者の主観による誤り、観測中の時計の読み取り誤差、記録の誤り等を常に抱えている。
また分析した作業方法そのものが、適正なものであったかという問題もかかえている。
P・T・S法は、これらの問題を開発しようとして開発された。
W・F法、M・T・M法が代表的。
▼ 4つの基本原則
[原則:1] 動作の数を少なくする
改善の対象となる作業を要素動作で分析し、この動作の数を減らす。
ここで大切なことは、ムダな要素動作を省略すること。
[原則:2] 動作は同時に行う
簡単な作業は、両手や足を同時に使うと効果的である。
その方がバランスもとれ、動作もリズミカルになり、疲労も少なくなる。
[原則:3] 動作の距離を短くする
いろいろな作業の中で、運搬・運ぶ等の移動動作が全体の約半分を占めるともいわれている。
これらの移動の所要時間に影響を及ぼすおおきな要因は、移動距離である。
従って、この距離を短縮することが非常に重要となる。
[原則:4] 動作を楽にする
動作そのものを楽にしたり、簡単にしたり、身体にたいする負荷をできる限り取り除くこと。
具体的には、楽な姿勢で作業ができるように作業域を改善したり、照明・換気などで作業環境を改善すること。



