Big Gain 製造コスト削減コンサルタント会社(ビッグ・ゲイン)/ 製造現場におけるコスト削減支援コンサルタント会社

Big Gain 製造コスト削減コンサルタント会社
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~11月度実施のセミナー『(仮称:企業の生産性向上に欠かせないIE活用術』~

 
~『生産性向上に欠かせないIE活用術』~
 
 11月上旬に、社団法人 大阪府工業協会様の御厚意で、2日間連続のセミナーを実施させていただくことになった。
(詳細は、当HPのセミナー案内を見て頂きたい。)
このテーマは、私が是非実施したかった内容である。
ここにその思いの一端を述べてみたい。
 
 産業の飛躍的な発展を支えてきたものの一つに管理技術が有り、日本でも戦後から2000年頃まで、企業の近代化に大きく寄与してきた。
その結果、特に日本の製造業はモノづくりで世界を席巻し、“ジャパン・アズNO.1”と言われるまでに成長した。
この管理技術の基礎であり、尚且つ生産性の向上或いはコスト削減の基本になっているのが“IE:インダストリアル・エンジニアリング”である。
 
IEは、経営管理の考え方や実践手法として、研究・確立されてきた。
そして、その考え方は製造業ばかりでなく、官庁も含めたサービス業や病院等でも用いられてきた。
 
 しかし、20世紀末から産業構造が大きく変わり、ボーダレス化が当たり前となった今、日本の企業は世界各地に工場を持ち、地産地消を目指して活動するようになった。
その際、多様な文化や異なった言語の世界で、有効なマネージメントを実践するために、共通の考え方や管理基準が必要になった。
 
 今年の7月、幸運にもインドネシアに進出している日系企業6社を見学する機会を得た。
いづれも製造業であるが、モノの造り方は各社とも異なっていた。
フリー・フロのコンベアで大量に流れ生産をしている企業もあれば、セル生産を採用している企業もあった。
当然それぞれに管理方法は異なり、各企業が長年培ってきた管理技術が随所に見受けられた。
 
 しかし、見学を終え共通して感じたことがある。
それは、
(1)資源を保有し、労務費が格段に安い環境下で、同じモノを造る競争では、何れ新興国に飲み込まれてしまう。
(2)生産技術や管理技法、改善手法の均質化が進み、新興国との競争環境になってきている。
(3)だが、これらの管理技法や改善手法の使い方を見た時、その用いられ方は断片的であり系統だっていない。
また、手法の誤った理解や実践も散見された。
 
つまり、かつて日本が導入し確立してきた当時の状況(プロセス・イノベーション)には程遠い状況と思われる。
(それでも、新興国のモノづくり初期段階では、十分効果はでている。)
従って、改善によって本来得られる効果も少ないものになっていると思われる。
彼らがこのことに気が付き、これら管理技法や改善手法を自分たちのものに出来るまでには、今少し時間がかかる。
 
一方日本でも、長年経営管理の基礎とされてきたIEを研究・発展させてきた世代が退職し、これらの伝承が危惧されている。
また、IEに関する参考文献やセミナ等も減少している。
このような意味合いからも、再度IEの考え方を理解し、手法の基本を身につけ、自分たちの職場で活用し発展させていただきたい。
そして、新たに各企業独自の管理技術・スタイルを構築してほしい。
その為に、是非、このセミナを活用していただきたい。

うれしい知らせが届いた!

 
~『これからの経営者像』~
 
 先月、社団法人 大阪府工業協会様の主催で、長時間のセミナーを担当させていただいた。
タイトルは、『製造工程でのムダを退治』、サブタイトルが~「コスト意識」は利益の源泉~である。
午前中のプログラムは、質問形式による参加者の「コスト意識チェック」から、経営者・従業員が各々の立場上でのコスト意識の発揮の仕方。
さらに、ムダを発見するポイントと、その改善方法等の内容。
午後からのプログラムは、実際の作業現場のVTRを観ていただき、ムダを見つけ退治していただくという内容だった。
当日は、サイクルタイムが異なる3種類の作業に関し6本のVTRを準備し、参加者にムダを発見し改善案を発表していただいた。
サイクルタイムが異なると、当然ムダ発見のポイントも違ってくる。
(これを実際に実感していただきたかった。)
この点に配慮し、サイクルタイムが10秒前後、20秒前後、90秒前後のVTRを準備した。
 
 このときのVTRの中に、昨年コンサルした、中国上海市にある2社の日系企業のものが含まれていた。
私は、セミナーでの使用許可をいただきに、この2社を訪問した。
そのうちの1社(以後、T社とする)では、製造本部長(以後、Aさんとする)に応対をしていただいた。
Aさんにセミナーの狙いと、その為の手段として是非T社上海工場のVTRを使用をお願いした。
Aさんと一緒にVTRの内容を確認した後、Aさんは、是非部下をセミナーに参加させたい。
近畿圏に工場が3ヶ所あるので、各工場から1名づつ参加させる・・と、その場で即決していただいた。
 私は、しばし感動した。
それは、3名もセミナーに参加させてくれるからではない。
Aさんの若い人材を育てたいという思い、今のうちに次代を背負う人材に投資をするという考え方・行動に、今の経営者が忘れがちな「一に人財・二に人財」という思想に触れたからである。
 
 一昨日、そのT社から一通のハガキが届いた。
その分厚いハガキは、株主総会後の新経営陣の紹介であった。
私はその中にAさん(新任取締役)の名前を見つけた。
よくわからないが、ジーンとくるものがあった。
 
 若い社員を育てる人が、経営陣の中に入っていく。
きっと、T社社長もそこは重要視している気がした。
これからも、『従業員を大切にする』こんな会社を私は応援していく。

(他社よりも)先に進むためには

 
~『コスト意識』を磨く~
 
 企業は、中・長期の目標を立て、それを実現する為に戦略を立案します。
そして、さらにより具体的な戦術へと落とし込んでいきます。
その戦術の一つに『コスト削減』があります。
私の少ない経験からですが、この『コスト削減』への取り組みは、中小企業よりも大企業のほうが、数段熱心に取り組んでいると感じています。
儲かっている方がしっかり足元を直視し、そうでない方は、足元よりもむしろ外部に目を向けているように感じています。
理由は色々とありますが、今回そこに触れるつもりはありません。
 
 足元を直視するとは、どういうことか。
直視するには、どうすればよいのか。
そして、直視する為には何が必要か。
 
 
(1)あなたには、見えていますか?
 
 この不景気の時代、一体どこにお金が転がっているのでしょうか。
 最近、特に「注文が無い、前年の半分に減った」、「お客さんが店に来ない、来ても商品を買ってくれない」という声を聞きます。
このような言葉からも、多くの経営者の視線が外に向けられていると感じられます。
 
本当は、あなたの工場の中、お店の中、作業場の中にお金は転がっています。
あなたに見えないのか、見ようとしていないのか。
 
ですが、お金が落ちていてもあるものがないと見えないのです。
それが『コスト意識』です。
『コスト意識』がないと、自分の工場やお店の中に落ちているお金を、拾うことはもちろん、見つけることも出来ません。
もったいないことです。
 
 
(2)あなたの『コスト意識』調査
 
ここで、以下の質問に答えてみてください。
 
  ①『コストとは?』という質問にすぐ答えられる
  ②『コスト意識とは?』という質問にすぐ答えられる
  ③『時間や労力もコスト』という自覚をもっている
  ④日々、業務日誌或いは予定表等を記入している
  ⑤月々の事業計画に対し、毎月フォローしている
 
  ⑥『ムリ・ムダ』を意識して、排除した仕事をしている
  ⑦自社のMan-Rateを知っている
  ⑧『コスト削減』の必要性を従業員に説いている
  ⑨自社の原価構成要素のトップ3を把握している
  ⑩社内にコスト削減提案制度を導入している
 
  ⑪自社の変動費の割合を常に把握している
  ⑫自社の固定費の割合を常に把握している
  ⑬これらを引き下げる努力をしている
  ⑭自社の損益分岐点を把握している
  ⑮自社に原価計算制度を導入している
 
如何ですか?
15項目の質問に対し、どれだけチェック出来ましたでしょうか?
例えば、質問の⑦に「自社のMan-Rateを知っている」があります。
よくセミナーの参加者にこの質問をすると、多くの方が誤解されているのに驚きます。
数式で言うと、分子に人件費がきます。
これは、年間給与、賞与・手当、福利・厚生、他の合計です。
多くの方は、分母に年間の勤務時間をもってきます。
ここで誤解されています。
この勤務時間の中には、作業をしない時間(=付加価値をつけない時間)も含まれています。
休憩時間や朝会、片付け、棚卸、修理・整備、切り替え、他等の時間です。
これらの時間は、人件費は発生しますが何も生産しません。
従って、分母は勤務時間から非作業時間を減じた直接作業時間にすべきです。
これが、“真のMan-Rate”と言えます。
“真のMan-Rate”は、非作業時間分だけ割高になるのです。
本来、このRateで受注コストの見積もりは行うべきです。
Machine-Rateの考え方も基本的には同じですが、若干異なる点があります。
機械は、稼動率を考慮して生産能力を算出し、Rateを設定されていると思いますが、それだけでは不十分です。
景気変動等により、その生産能力よりも実際の稼動が下回るからです。
そこで、その分のロスをRateに織り込んでおく必要が有ります。
話が少し脇道にそれたので元にもどします。
 
 
(3)『コスト意識』とは?
 
 ここで、私が述べるコスト意識について明確にしておきます。
 
 私はコスト意識には、広義と狭義の意味があると考えています。
広義には、『経営者のコスト削減Way』。
狭義には、『従業員のコスト削減Way』です。
 
 まず、経営者のコスト削減Wayについて述べていきます。
第一に、顧客満足
顧客満足の範囲は、製品の性能・価格・ディザイン・仕様・サービスから、今では製造コスト・販売コストにまで及んでいます。
 
第二に、コスト
経営者は、低コストで、さらに限られた人・設備から、様々な製品やサービスを生み出し続けなければなりません。
 
第三に、現場の姿
様々な製品やサービスを生み出す現場は、活きた人が、活きたものを生み出す、活きた現場でなければなりません。
 
第四に、人が主役
活きた現場では、人が主役です。
その主役である従業員に、どれだけ当事者意識をもたせて仕事にかかわらせることが出来るかが大切です。
 
第五に、問題解決
仕事を、問題を発見しそれを解決していく継続的活動と定義するなら、継続的なコスト削減活動は、当面の利益の獲得だけでなく、従業員の知識や経験の拡大につながります。
 
 次に、従業員のコスト削減Wayについて述べていきます。
それは一口に言って、ムダの発見と排除の連続です。
具体的には、工場や作業場において、
 
①作業者の“安全・作業姿勢・作業環境”を確認する
まず、作業者の安全や作業姿勢を確認する。
さらに作業環境、特に温度・湿度・照明・騒音・振動、化学薬品の使用、重い工具や治具・火器の使用等。
特に忘れてはならないのが、周囲に人がいない状態での一人作業です。
材料を取りに行っているのか、完成品を送達に行っているのか、現場で事故にあっているのか、気がつくのが遅れれば大惨事になる可能性があります。
 
②作業域の“3S”状態を確認する
“3S”とは、言うまでもなく①整理②清掃③整頓です。
この順番には、重要な意味がありますので、決して間違えないでください。
 
③“モノの流れ(INとOUT)・置き場所・置き方”を確認する
作業者に、ムダな動きをさせないという観点から観ていく。
 
④作業域の“レイアウト”を確認する
作業者が疲れにくく、また動きが少なくてすむ効率的なレイアウトになっているのか確認する。
よく見かけますが、作業者がモノを運搬するときの水平方向の距離に対しては考慮されているが、垂直方向の距離に対しては意外と忘れられています。
 
⑤作業者の作業を“動作の連続”として捉える
作業をそのまま作業として観ていたのでは、なかなかムダには気がつきません。
作業を動作の連続として観ると、多くのムダが発見できます。
動作のムダを発見するポイントは、価値を生んでいない動作を見つけることです。
では、どのような動作が価値を生んでいないかを説明します。
 
Part.1 (4種類の動作)
保持、避けられない手待ち、避けられる手待ち、休む
これらの動作は、価値を生んでいません。
 
Part.2 (10種類の動作)
探す、検査、選ぶ、考える、前置き、頭を廻す、身体の向きを変える、歩く、立つ、座る
これらの動作は、たいていの場合Part.3の動作を遅くするものとして発生します。
 
Part.3 (8種類の動作)
空手の移動、掴む、荷重移動、位置決め、組み立て、使用、分解、放す
これらは作業の基本となる動作ですが、これとてもムダが潜んでいる場合があります。
 
⑥“Before、After”を数値化する
しっかり数値で把握し、その効果を明確にします。
 
 
                                続く
 

中国・上海における日系企業のコンサルティング活動報告(第四回)

≪B社・上海工場の事例 (その4)≫
~『工場内の3S・見える化』の教育・導入・定着・継続~
≪『Red Card』作戦の展開について≫
 活動の進展に伴い、現場サイドでは手をつけることが出来ない部分が出てくる。
『お客様から観た工場の第一印象』でも述べたように、床に、棚に山と積まれた製品及び材料在庫の処置である。
これにも対処しないと、『3S・見える化』は完成しない。
その為には、材料の発注や在庫管理を行っている事務所や倉庫のメンバーも活動に巻き込む必要がある。
 
材料在庫や製品在庫で『廃棄』出来るものに『Read Card』を貼っていただき、出来るだけ一か所に集め、『見える化』を図るようにした。
 しかし、スペース的にすべてを一か所に集めることができず、実際には数か所に点在した。
 

【写真は、廃棄材料に貼られた『Read Card』(1)】
 

【写真は、廃棄材料に貼られた『Read Card』(2 )】
 
廃棄重量や金額は、O総経理にお願いして算出していただいたが、ここでは数値を控えさせていただく。
この時、廃棄在庫に関しては「為替」を睨みながら、円高時に本社サイドで買いあげてもらうなど、会社全体として積極的な利用策を展開するようにO副総経理に提言しておいた。
 
≪[4]継続≫について
 今回の活動をより強力に継続していくために、推進委員の選出とは別に以下のことを進めた。
   [1]自分のための『3S・見える化』チェックシートへの記入
   [2]『3S・見える化』パトロールの実施
[1]のチェックシートは、各班長が部下の目標達成状況を毎月チェックする。
班長のチェックシートは、係長がチェックする。
係長のチェックシートは、O副総経理にチェックしていただく。
そして、各人が書いた目標を毎期毎期レベルアップしていく。
 

【写真は、自分の為の『3S・見える化』チェックシート記入風景】
 
従業員全員でこのチェックシート記入後、O副総経理から「このシートの目標達成度合いは、賞与の考課基準の一つにします」と言うお話が全員に向けてあった。
O副総経理も、我々がいなくなった後の『3S・見える化』活動の継続を彼なりに考えていた。
 
[2]は、推進委員を中心に、毎月定期的に『3S・見える化』のパトロールを実施する。
パトロール時のチェックポイントは、375枚の写真である。
パトロールは、作業時間中だけでなく作業終了後も実施していただく。
さらに、自分たちで確認したい項目の強調月間を決めて実施してもよい。
例えば、作業服を正しく着用する月間、挨拶月間、窓ガラスの汚れをチェックする月間等々。
そして、パトロール結果を所定の用紙に記入し管理していく。
 
≪『新テーマへの挑戦』≫
 ここからは、今回のプロジェクトとは別に、私がB社・上海工場に望む内容である。
まず今回実施した『3S・見える化』の活動を、『上海工場のDNA』としていただきたい。
そして、この『3S・見える化』を今後より進化させ、上海から日本へ輸出していただきたい。
既述しているように、『3S・見える化』はあくまで『手段』である。
それ自体が『目的』にはなりえない。
 しかし、経営改革の強力な手段である。
『3S・見える化』をDNAとし、今後は『Only 1』のモノづくりを目指していただきたい。
 
 なぜ『Only 1』のモノづくりを目指すのか。
答えは、昨年12月、このプロジェクトのキックオフ時に、K社長が話をされた言葉の中にある。
その中でK社長は、「私は、価格競争は行わない」とお話しされた。
価格競争を行わないとは、どういうことか。
独占企業なら、自分の好きなように価格を設定できる。
また一般に言われていることを信用するなら、価格競争をしなくても製品が売れる企業は、製品の世界シェアが70%以上の企業か、国家から受注している企業である。
つまり、K社長の方針は明快である。
価格競争をしないためには、必然的に『Only 1』のモノづくりが出来る企業を目指すということである。
その意味で『Only 1』という言葉を用いた。
具体的には、ここに示すステップで今後の活動を展開して頂きたい。
既に、ステップ1のテーマについては、現場を対象とした勉強会を終えた。
(ここからは、顧客様との守秘義務に基づき、内容を控えさせて頂く)
 
 最後に、大変耳の痛い話をした。
B社・上海工場の経営陣には、『長期的な視座』を持っていただきたいと。
上海工場の存在理由は明白なハズ。
 しかし、この工場を経営されている経営幹部の皆様からは、この工場を具体的にどのようにしたいのか。
2・3年先には、どのような姿を目指しているのか、その意志や志が殆ど感じられなかった。
つまり、経営を進めるうえでの『経営理念』やそれを実現するための『経営戦略』がみえてこなかった。
まずここを明確にし『戦略的な経営』を実践して頂きたい。
次に、それを実現するために、具体的な戦術に落とし込んで頂く。
その戦術の一つに、先ほどの『新テーマへの挑戦』(Only 1)のモノづくりが採用されたならば、この挑戦目標はより身近なものとなり、推進可能なものとなる。
 
 最後の最後に大変厳しいことをお話ししましたが、これもB社・上海工場が《Only 1 モノづくり》を目指していくうえで、今までの経営スタイルからの決別が必要と考えるからである。
どうか、ご理解を賜りたい。
                               ・・・ おわり ・・・

中国・上海市における日系企業のコンサルティング活動報告(第三回)

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《B社・上海工場の事例 (その3)》
 ~『工場内の3S・見える化』の教育・導入・定着・継続~》
 
《[2]導入》について
 先に述べた、「お客様から観た当工場の第一印象」を従業員の視覚に訴えるために、各班毎の作業工程で私が気付いた『3S』の“Before”箇所を写真撮影し、班毎の勉強会で説明していった。
そして、
  ①なぜ、こうなったのか?
  ②どうすればよいのか?
  ③それを誰がいつまでに解決するのか?
  ④その確認は、誰がいつまでにおこなうのか?
 
《[3]実施》について
 初期の活動として、『スペースの創出』を目的に以下の3点を進めていった。
 (1)棚の有効利用
 (2)空箱等の片付け
 (3)梱包材の発注を一時停止
 
 

【写真は、棚の有効利用(1)】
 

【写真は、棚の有効利用(2)】
【棚を分割して、柱の間に設置】
 

【写真は、屋外に放置された空箱】
 

【写真は、有効利用された空箱】
 
 理由は、棚や空箱が当工場の通路を遮断し、モノの流れを悪くしていたからである。
まず、モノの流れをスムーズにし、しかも、ストックされている状態を分かり易くする(見える化)のが狙いであった。
その為に、新レイアウトでは、90度に曲げられていた通路もまっすぐにした。
 
 梱包材の発注停止は、生産管理と購買部門に在庫数量を確認後、O副総経理と相談して実施した。
梱包材を倉庫内に集めてみると、なんと、倉庫内の棚の端から端まで埋め尽くされた。
梱包材が増えた原因は、数々の製品の生産数量が減少したにも関わらず、担当者がそれまで通り定期的に発注していたからであった。
なぜ、生産計画をチェックしながら梱包材の発注をしないのか?
日本国内であれば、当然このような疑問がおこる。
 しかし、ここは中国である。
梱包材の購入担当者にしてみれば、彼の仕事は、決まった量を定期的に発注することで、在庫の管理は関係無いのである。
この件では、担当者だけを責めることは出来なかった。
なぜなら彼は、その時まで生産計画を見ながら在庫を確認し、梱包材を購入するということを教えてもらっていなかった。
これでは決して梱包材は減らないし、また、減らす感覚も持ち合わせていない。
彼らは、このようなことすら教育されていないのである。
これは、日本人出向者の責任である。
 
 私は、次のステップとして、以下の順序で進めていった。
  (1)新しいレイアウトの検討
  (2)棚の移動
  (3)通路の直線化
  (4)通路の廃止と新設・拡大
  (5)遊休設備の移動
  (6)検査場所の移設
 
 『スペースの創出』から少し遅れて『レイアウトの変更』に関する検討にいった。
クライアントとの守秘義務の関係から、『レイアウトの変更』に関する説明を差し控えさせていただく。
考え方の基本は、先に説明したS総経理の『3つの方針』である。

 
 この実行段階から、3名の『3S・見える化』推進委員が積極的に動いてくれた。
説明が後先になってしまったが、活動の初期の段階で、S総経理にお願いし『3S・見える化』の推進委員を選出していただき、全従業員の前で彼らの任命式も終えていた。
 

【写真は、任命式の様子】
 
 これは、活動をスムースに進める意味と、我々が去った後、この工場で『3S・見える化』活動を継続して進めていく狙いがあった。
その為、リーダーとして彼らだけの勉強会も、数回開催した。
 

【写真は、リーダーだけの勉強会の様子】
 
 『3S・見える化』を真似して覚えてもらう為に、各班毎に多くの写真撮影を行った。
合計で、375枚の写真を撮影した。
これをもとに、「Before&After」シートを375枚(A4サイズ)作成し、シート1枚づつに、以下のようなコメントを日本語で記入していった。
  (1)写真の現象(事実)を端的に説明
  (2)『3S』のどの項目に該当するかを説明
  (3)あるべき姿を提案
 
次に、私のアシスタントが、このコメントを中国語に翻訳していく。
これは、勉強会までに準備しなければならない為、時間的な制約もあり大変な作業であった。
 
 このシート1枚づつを班毎の勉強会で取り上げ、上記(1)・(2)・(3)を繰り返し説明し、『3S』を推進していくうえで、現象(事実)を見出す着眼点、あるべき姿を導き出す着想のやり方を、彼らが真似できるようにステップをふんだ。
そして、最後にこの「Before&After」シートは、誰が、いつまでに、どのようにして改善するのかの手段を記入し、全てのシートを見学通路や食堂に掲示した。
さらに、各班の班長の写真を掲示し、その下に、取り組みに際してのメッセージも自筆で書いてもらった。
 

【写真は、「Before・After」の様子】
 
                           次回に続く

中国・上海市における日系企業のコンサルティング活動報告(第二回)

中国・上海市における日系企業のコンサルティング活動報告
    B社・上海工場の事例(その2)

中国・上海市における日系企業のコンサルティング活動報告(第一回)

中国・上海市における日系企業のコンサルティング活動報告
    B社・上海工場の事例(その1)

改革にたいする心構え

 
Ⅲ.改革のステップ
 
 企業の改革は、『人の心』と『気持ちの交流』が何よりも大切だと考えている。
 
上に立つ人間がまず、夢や目標を抱き、旗を振り、なおかつ皆でともに上昇していく意識を広げていかねばならない。
 
私に経営改革のコンサルティングを依頼される経営者の方々は、差異こそあれ既に上記のような意識をお持ちである。
 
 しかし、殆どの場合、この意識を実践するアイディアを持ち合わせておられない。
 
もしくは、既にご自分のアイディアを実行された後の、次の新たなアイディアを模索中である場合が多い。
 
『人の心』と『気持ちの交流』をはかるのに用いる私の手段は、『3S活動』の実践である。
 
この『3S活動』は、前項で述べた『従業員の意識の覚醒』⇒『当事者意識』への気づきに対しても、大変有効である。
 
 
 私は企業の経営改革を、基本的に次のステップで進めていく。
 
第1ステップ・・・経営者・経営幹部の意識改革
 
第2ステップ・・・従業員の意識の覚醒(3S活動の導入)
 
第3ステップ・・・自分の仕事内容、作業域、会社等の職場環境の見直し(ロスの削減)
 
第4ステップ・・・一般経費のコスト削減による利益の増加
 
第5ステップ・・・『部門別の収支』把握(部門別経営の導入)(次の経営幹部の育成)
 
第6ステップ・・・部門別の『事業計画』策定⇒全社事業計画へ展開
 
第7ステップ・・・『事前管理』の実践⇒事業計画、実績、事前管理で部門経営を推進
 
第8ステップ・・・『完全な自主責任経営』の導入
 
依頼される企業よって異なるが、第1ステップから導入される企業の場合、第5ステップまでに約1年を要す。
 
第6から第8ステップを実践するには、企業内のルールを変更する場合も発生する。
 
通常、第1から第5ステップまでの1年間契約が多いが、場合によっては期間延長もある。
 
作業者意識の変化度合等はなかなか数字で現せないが、6ヶ月を経過した頃になると職場環境も見違えるほど変化してくる。
 
一番の大きな違いは、従業員が私の顔を正面からみて挨拶してくれるようになることである。
 
私はこれを、ある段階までの成果の判断基準としている。
 
このころになると、私への個人的な相談メールも送られてくる。
 
7ヶ月から8ヶ月目になると、数値で把握できる大きな成果が現われてくる。
 
特に、在庫金額の削減や一般経費の削減が大きい。
 
また、『私の気づき提案』の提出件数も増加してくる。
 
 
                                       次回に続く

改革にたいする心構え

 
Ⅱ.従業員の意識の覚醒
 
  前回、改革を阻む『4つの壁』について説明した。
 
会社の経営改革(広い意味)を依頼され、これを引受け実行に移していく場合、事前に十分な調査を行う。
 
財務諸表による経営数値もさることながら、私が特に注意する点は以下の内容である。
 
  (1)経営者の持っている『ツキ』。
 
     非科学的でコンサルタントらしくないと思われるかもしれないが、経営者にとって最も大切なものは『ツキ』だと信じている。
 
    『ツキ』と『運』が無ければ、絶対に成功しないと思っている。
 
    『ツキ』と『運』の違いに関する説明は、ここでは省く。
   
 
  (2)従業員の『挨拶』。
 
     初めて訪問した私というお客様への挨拶、声の大きさ、言葉の明瞭さ、案内の態度、待っている間の対応等。
 
 
    私は、これらに従業員一人一人の『人質』が現れると信じている。
 
    会社は、『異なった人質の集合体』である。
 
    この『人質』が『仕質』にあらわれ、『仕質』が昇華して『社質』となる。
 
    多くの場合、企業はこの『社質』で判断されるされる。
 
    従って、良い意味においても悪い意味においても、『社質』のもとになる『人質』は、大切な判断基準である。
 
  (3)会社内部、特に作業域や通路等の『3S状態』。
 
     最初に会社を訪問した場合、経営幹部(通常、社長さんの場合が多い)から、会社概要や現在の取り組み事項等を説明していただく。
 
     しかし、私はそんな話よりも実際に会社内を見学させていただき、自分の目で見て経営幹部の話が正しいかどうかを判断する。
 
    なぜなら、経営者がいつの場合も現場を正確に把握しているとは限らないからである。
 
    従業員の態度や、会社内部を見せていただければ、ほぼそれで判断できる。
 
    この時下した判断は、80%以上の確率で正しいと思っている。
 
  (4)工場内に置かれた『モノの管理状態と動線』。
 
     『モノ』を直接床に置いていたり、決めた場所に置かれていなかったり、また、動線がシンプルでない工場等では、どんなに『3S』に取り組んでいても、直ぐに乱れてしまう。
 
  あとは独自の調査シートに従って進めていく。
 
  そして多くの会社の場合、最初に実行に移すのが『従業員の意識の覚醒』である。
 
 私が目指すのは『当事者意識の改革』である。
 
 私は『当事者意識』とは、従業員が自分に与えられた仕事(業務)に対し、能動的にかつ積極的に責任を持ってこれを成し遂げることだと考えている。
 
 言葉を変えれば、その仕事(業務)のプロに徹すること、といってもよい。
 
 前項で記した、改革に前向きでない従業員の大部分は、この意識に欠けている。
 
 彼らは多くの場合、月給を貰えばいい。
 
 8時間いたら、あとはおしまい。
 
 知っていても知らないふりをする。
 
 見えていても見えないふりをする。
 
 自分ではなく、誰かがやってくれるだろう。
 
 このような従業員に対しては、先ず『意識の覚醒』が必要である。
 
 周囲の状況や環境の変化、お客様の嗜好の変化等、競争相手の動きに気づいてもらわなければならない。
 
 
                                                         続く
 
 

改革にたいする心構え

 
Ⅰ.現状に満足しないこと
 
 
 毎日同じ仕事をしていると、しだいにマンネリ化してくる。
 
昨日も今日も明日も、変化のない毎日を送るようになる。
 
生産性が伸びないのは、生産計画が頻繁に変更されるから、あるいは、機械の故障が多いから。
 
工程不良がなかなか減らないのは、人件費の削減だけを気にして、不慣れな派遣社員を多く採用しているから。
 
機械の故障が多いのは、老朽化しているから、あるいは、予算を削ってパーツを事前に交換しないから。
 
といったような、あきらめムードに陥りやすい。
 
 よく言われる言葉に、『変化こそ社会の現実』というのがある。
 
現状に甘んじることなく、常に変化を求め続けなければ、熾烈な競争についていけなくなる。
 
まず、現在の「固定観念」から抜け出さなければならない。
 
 しかし、会社経験の豊富な社員ほど、この「固定観念」という泥沼からなかなか抜け出せないでいる。
 
私はコンサルティングをまかされると、必ずその会社の大部分の従業員と面談を行う。
 
これは、私が今までコンサルティングしてきた会社で共通していることである。
 
彼らは、現状に満足していてはいけないという認識はもっている。
 
あたまでは理解していても、実際に変化を要求される局面になると、最初の一歩を踏み出せない。
 
やがて彼らは、自分が変化出来ない理由を探し始める。
 
その理由の根拠となるのが、彼らのそれまでの「経験則」である場合が多い。
 
自分の経験をまるで「金科玉条」のように振りかざし、若い社員の斬新なアイディアまでも封じ込めてしまう。
 
管理職という地位にある社員は、その地位までも利用して変革を阻止にかかる。
 
挙句の果てに、変革を望まない社員を集め、非公式的な組織を結成する。
 
そして、終業後の飲み会でその結束を固める。
 
 実際にクライアントから依頼をうけ改革を進めていく場合、ここからが本当の意味でのスタートとなる。
 
この時点で、変革に前向きな社員とそうでない社員の見極めが出来ている。
 
特に前向きでない社員に対しては、重点的に彼らが未だ気づいていない「4つの壁」にとらわれているということを、気づかせなければならない。
 
 ①業界の常識という“壁”
 
 ②いままで経験がないという“壁”
 
 ③社員の間違ったプロ意識という“壁”
 
 ④そして、変えたくない・楽をしたいという“壁”
 
 
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