株式会社 Big Gain (ビッグ・ゲイン)/ 製造現場におけるコスト削減支援コンサルタント会社

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T社のコンサルティングを終えて

投稿日: 2013年 12月 11日 水 | Posted by 小田 久 | カテゴリ:コラム 最新情報 新着情報 最新情報

≪T社の指導を終えて≫

 

 先月末で15ヶ月間に亘ったT社の指導を終えた。

T社との出会いは、昨年の夏、N商工会議所の依頼で行った私のセミナーである。

このセミナーにT社のF社長が出席されていた。

最前列に陣取り、怖い顔で私を凝視されていた。

幾つか質問もされたので覚えていた。

この出会いがきっかけで、その後、T社のお手伝いをすることになった。

 

 T社の事業内容は、住宅用玄関ドアーの生産がメインである。

15名の人員で残業をやりながら、約60枚のドアーを日々生産している。

ドアーは、縦横の長さの変化、小窓やがらりの有無、電子施錠の有無、片開き・両開き等、パターン化すると30を超える。

これらを、

1.アルミ形材の切断、加工

2.力骨の組み立て

3.ハニカム切断、組み立て

4.パネル切断、シャーリング

5.接着剤塗布

6.プレス

7.CNC加工

8.エッヂ組み立て

9.検査、梱包

という流れで、製造していく。

 

 話を指導内容に戻す。

T社の指導は、製造部長と経験豊富なNさん(男性)を中心に進めた。

 

 T社にはF社長の強烈な思いを込めた方針がある。

それは、

『日本に冠たる企業』を目指す

冠たるとは、オンリー1になること、エリアNo.1になることを言う。

この方針を達成するために、F社長から社内の各部門に指示が出された。

製造部門に対しては、紙面も最も多く、以下のような内容であった。

≪概要≫

 1.製造力の向上・・・生産性143%UP (日産35枚から50枚へUP)

 2.技術力の向上・・・作業者の力量を上げる

 3.インフラの整備・・・スペースの増設、機械能力のUP

 4.納期の短縮・・・生産計画を守る、適正在庫の見直し

 5.品質力の向上・・・自社工場および協力工場の品質を向上させる

 6.コスト力の向上・・・他の追随を許さないコストの実現

これらの要求事項をうけ、私は自分の役割を以下のように認識し、F社長に承認をいただいた。

 

≪取り組み内容≫

 『製造力の向上による利益獲得』

 とし、これを三つの戦略へと展開した。

 Ⅰ 生産性向上とコスト削減による利益の獲得

 Ⅱ モノづくり現場の管理力向上

 Ⅲ 従業員のレベルアップ

 これらⅠ~Ⅲの戦略を、さらに具体的な活動項目へ落とし込んだ。

 Ⅰ について

  (1)モノづくり現場の“モノ”の流れや“人”の動きをスムースにする

    ⇒「工程改善」に着手 (『3S+3T』の導入)

  (2)作業のムダを排除する

    ⇒「作業改善」に着手 (IE:『時間分析法』の導入)

 Ⅱ について

  (1)“勘と経験”から“数値化”する仕組みづくりを構築する

  (2)作業者の「実績時間管理」・・・非作業の内容を把握する

  (3)「月別生産実績」の把握

  (4)「現場長の心得(8ヶ条)」

  (5)コンサルタントの知識経験を伝える・・・「理論と実践」

 Ⅲ について

  (1)作業者自らが“考え・気づく”習慣をつくる

    15名全員の作業をVTR撮影し、作業改善をすすめた

  (2)VTRを見ながら作業者を指導(気づいてもらう)

 

 15ヶ月間に及ぶ詳細な活動内容は、守秘義務もあり割愛するが、ドアーの生産実績枚数についてのみ記述すると、

(目標) 35枚/日 ⇒ 50枚/日 143% UP

(実績) 35枚/日 ⇒ 61枚/日 174% UP となった

これは、工場の建設や新規設備の導入もさることながら、従業員の皆さんが自工程でのモノの流れや、自分たちの動線を改善したこと。

さらには、自分たちの作業を大きく改善したことも影響している。

 

 実を言うと、今回の取り組みで、“他の追随を許さない原価力の構築”まで手を出したかったが、出来なかった。

生産性が大幅に向上したことにより、製造原価内の直接労務費に関しては、その分引き下げられたハズ。

 しかし、材料費の削減には着手できなかった。

T社は、親会社より材料を支給されているため、材料費の削減に関する意識が薄いように感じていた。

支給材料は定尺物であるため、端材がのこる。

ここにも大きな原価削減の余地がある。

端材から小窓やがらりの部材が採取できる場合が多々ある。

生産量が増加すればするほど、ここには“お金が落ちている”ことになる。

 

 「日本に冠たる企業」を目指す時、長期的な視点と同時に足元も見ていかねばならない。

親会社の絶大な信用やF社長の強いリーダーシップで、今後、売り上げは増加するだろう。

 しかし、足元を見たとき、指導期間中に退職された、製造部長に代わるリーダーの育成が急務である。

今回指導したNさんが新工場長に昇格したが、彼の情熱や謙虚さは認めるも、その管理能力やリーダーシップは未知数である。

製造部長の退職が見えていたため、新工場長には指導期間中厳しい要求をしてきたし、私の持っているものを伝えてきたが、彼が成長するにはもう少し時間が必要だ。

どうか、新工場長を全員でささえ、「日本に冠たる企業」を目指していただきたい。

機会があれば、再度、貴社のお手伝いをさせていただきたいと思っております。

 

ありがとうございました。

おかげさまで、私もたくさん勉強することができました。

皆様の健康と、貴社のますますの発展を祈っております。

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