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《B社・上海工場の事例 (その3)》
~『工場内の3S・見える化』の教育・導入・定着・継続~》
《[2]導入》について
先に述べた、「お客様から観た当工場の第一印象」を従業員の視覚に訴えるために、各班毎の作業工程で私が気付いた『3S』の“Before”箇所を写真撮影し、班毎の勉強会で説明していった。
そして、
①なぜ、こうなったのか?
②どうすればよいのか?
③それを誰がいつまでに解決するのか?
④その確認は、誰がいつまでにおこなうのか?
《[3]実施》について
初期の活動として、『スペースの創出』を目的に以下の3点を進めていった。
(1)棚の有効利用
(2)空箱等の片付け
(3)梱包材の発注を一時停止

【写真は、棚の有効利用(1)】

【写真は、棚の有効利用(2)】
【棚を分割して、柱の間に設置】

【写真は、屋外に放置された空箱】

【写真は、有効利用された空箱】
理由は、棚や空箱が当工場の通路を遮断し、モノの流れを悪くしていたからである。
まず、モノの流れをスムーズにし、しかも、ストックされている状態を分かり易くする(見える化)のが狙いであった。
その為に、新レイアウトでは、90度に曲げられていた通路もまっすぐにした。
梱包材の発注停止は、生産管理と購買部門に在庫数量を確認後、O副総経理と相談して実施した。
梱包材を倉庫内に集めてみると、なんと、倉庫内の棚の端から端まで埋め尽くされた。
梱包材が増えた原因は、数々の製品の生産数量が減少したにも関わらず、担当者がそれまで通り定期的に発注していたからであった。
なぜ、生産計画をチェックしながら梱包材の発注をしないのか?
日本国内であれば、当然このような疑問がおこる。
しかし、ここは中国である。
梱包材の購入担当者にしてみれば、彼の仕事は、決まった量を定期的に発注することで、在庫の管理は関係無いのである。
この件では、担当者だけを責めることは出来なかった。
なぜなら彼は、その時まで生産計画を見ながら在庫を確認し、梱包材を購入するということを教えてもらっていなかった。
これでは決して梱包材は減らないし、また、減らす感覚も持ち合わせていない。
彼らは、このようなことすら教育されていないのである。
これは、日本人出向者の責任である。
私は、次のステップとして、以下の順序で進めていった。
(1)新しいレイアウトの検討
(2)棚の移動
(3)通路の直線化
(4)通路の廃止と新設・拡大
(5)遊休設備の移動
(6)検査場所の移設
『スペースの創出』から少し遅れて『レイアウトの変更』に関する検討にいった。
クライアントとの守秘義務の関係から、『レイアウトの変更』に関する説明を差し控えさせていただく。
考え方の基本は、先に説明したS総経理の『3つの方針』である。
この実行段階から、3名の『3S・見える化』推進委員が積極的に動いてくれた。
説明が後先になってしまったが、活動の初期の段階で、S総経理にお願いし『3S・見える化』の推進委員を選出していただき、全従業員の前で彼らの任命式も終えていた。

【写真は、任命式の様子】
これは、活動をスムースに進める意味と、我々が去った後、この工場で『3S・見える化』活動を継続して進めていく狙いがあった。
その為、リーダーとして彼らだけの勉強会も、数回開催した。

【写真は、リーダーだけの勉強会の様子】
『3S・見える化』を真似して覚えてもらう為に、各班毎に多くの写真撮影を行った。
合計で、375枚の写真を撮影した。
これをもとに、「Before&After」シートを375枚(A4サイズ)作成し、シート1枚づつに、以下のようなコメントを日本語で記入していった。
(1)写真の現象(事実)を端的に説明
(2)『3S』のどの項目に該当するかを説明
(3)あるべき姿を提案
次に、私のアシスタントが、このコメントを中国語に翻訳していく。
これは、勉強会までに準備しなければならない為、時間的な制約もあり大変な作業であった。
このシート1枚づつを班毎の勉強会で取り上げ、上記(1)・(2)・(3)を繰り返し説明し、『3S』を推進していくうえで、現象(事実)を見出す着眼点、あるべき姿を導き出す着想のやり方を、彼らが真似できるようにステップをふんだ。
そして、最後にこの「Before&After」シートは、誰が、いつまでに、どのようにして改善するのかの手段を記入し、全てのシートを見学通路や食堂に掲示した。
さらに、各班の班長の写真を掲示し、その下に、取り組みに際してのメッセージも自筆で書いてもらった。

【写真は、「Before・After」の様子】
次回に続く



